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Autonomic DBMS

近年、人類の扱うデジタルデータの容量は飛躍的に増大しており、データ管理の基盤であるDBMS及びストレージは益々重要になっているが、一方で、その管理はより困難化している。この問題を解決するため、DBMS 及びストレージを自立化させる技術が求められている。

現段階では、DBMS及びストレージにおける主要な管理業務の一つである再編成を自立化することに焦点を当てている。記憶空間上のデータは、更新操作を繰り返すことにより、その配置が乱れ、本来、想定している配置と大きく乖離した状態となり、性能を大幅に劣化させる場合がある。このため、DBMS及びストレージの管理者は再編成を度々行うことにより、記憶空間上のデータを再配置し、性能の劣化を予め防ぐ必要がある。現状では、性能劣化を予測し再編成を開始することの判断は難しく、また、再編成自体にかかる時間は膨大であることから、再編成は高度の管理業務と考えられており、再編成を自立化させることの意義は大きい。現在、DBMS及びストレージ内部において記憶空間の自己診断を行い、再編成を制御する機構の開発に取り組んでいる。将来においては、ITシステム全体の自立管理へ統合可能な技術とすることを視野に入れている。

(星野 喬)

 


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