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iSCSI

相互接続性の高さ,接続距離の長さ,管理技術者の多さなどでIPを用いたSAN(Storage Area Network)が期待されている.

本研究では,iSCSI を用いた IP-SANの性能向上を目指している.またその手法として,システム解析ツールを作成しシステムの振る舞いの詳細な情報を獲得し,性能劣化原因を的確に発見する方法を用いている.iSCSI を用いたストーリッジアクセスは右図のような SCSI over iSCSI over TCP/IP over Ethernet という複雑なプロトコルスタックで構成され,これら全層がEnd-to-Endの性能に影響を与える可能性がある.よって,システムの一部を観察するのみでは性能の向上が困難である.

本研究では,右図の様なこれら全層の振る舞いが観察できる"iSCSI解析システム"の構築を行っている.また,OS のドライバなどの実装を用いずにiSCSIプロトコルによる通信を可能とする iSCSI イニシエータの実装も併せて行っている.そして,この解析システムを,高遅延環境下におけるシーケンシャルアクセス,高遅延環境下における多重ショートブロックアクセスなどに実際に適用し,その性能向上に努めている.

(山口 実靖)


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