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SAN-connected PC cluster

PCクラスタは価格性能比の面から注目されており、特に大規模データを扱うアプリケーションにおいては今後中心的な役割りを果たすと期待されている。しかし、これまでPCクラスタで主に採用されてきた非共有ディスク(Shared Nothing)方式のストレージアーキテクチャでは、特に大規模データを扱う場合、負荷の偏りを均衡化する動的負荷分散には限界があり、また、ノード数やデータ配置を変更する動的資源調整が困難である。一方、近年ではファイバチャネルに代表されるストレージエリアネットワーク(SAN)が普及し、当該技術により、種々のストレージ装置を論理的に集約、管理するストレージ仮想化機構が提案され、利用されるようになりつつある。

本研究では、負荷の偏りに対しより高い均衡化能力を有する動的負荷分散と、CPU演算能力としてのノード数とIO帯域としてのディスク数を実行時に変更可能な動的資源調整の実現を目的とし、共有読み込み及び動的デクラスタリングなる新たな機能を有するストレージ仮想化機構を提案した。また、SAN結合PCクラスタ上で、並列データマイニングアプリケーションを用いた実験を行い、提案手法の有効性を明らかにした。

(合田 和生)

 


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