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パネルログ解析によるユーザ行動モデルの抽出

ウェブページを閲覧する人々の行動モデルの抽出は重要であり多くの研究が行われているが、既存の研究のほとんどはウェブサーバのログを用いたものであり、当該サイト上での挙動は把握できるものの、サイト外を含めたユーザの行動を解析することは困難であった。しかし、テレビ視聴率調査と同様,統計的に偏りなく抽出された人(パネル)を対象にURL履歴の収集を行う事業が登場し、パネルから集められたログ(パネルログ)の解析により、パネルが訪れた全てのウェブページ(URL)を収集することが可能となった。このログにはユーザが検索サイトなどで入力した「検索語」の情報も含んでいる。

ウェブサーバに対する従来のログ解析では解析対象となるページ空間が狭いのに対し、パネルログでは極めて広大なページ空間を対象とするため、個々のページの参照履歴から大域的な行動の把握は容易でないといった問題がある。そこで、本研究では類似したウェブページを抽出するウェブコミュニティ手法とユーザが入力した検索語を用いて、パネルログからユーザの大域的な行動パターンの抽出することを目指した。

ユーザの行動パターンをパネルログから抽出するには現時点でその自動化は容易でなく人間の解析が不可欠との判断から、本研究では解析者がパネルログから大域的なユーザ行動の把握を支援するシステムの提案と実装を行った。このシステムを利用して、パネルログの解析を行った結果、URLを基にした解析では捉え難い大域的なユーザの行動パターンを発見することができた。

 

 


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